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2006年3月17日 (金)

人生を変えた石仏

僕はその時、中学1年生、神奈川県海老名市に住んでいた。
友だちのところに行った時、彼が「面白いものがある」と、近くの畑のど真ん中に連れて行ってくれた。そこにはひとつ、石仏が立っていた。立っていたのは庚申塔(こうしんとう)。江戸時代に村の庚申講(注)が建てた塔。ただそれだけのために建てられるもんでもない。往々にして道しるべも兼ねている。こいつもそうだった。
「おい、これ『江戸』とか書いてあるぜ」と友だちが言った。
碑の側面に書いてあったのは「左 大山  右 ふぢさわ 江戸」とかいう文字だったと思う。見た瞬間、ぞぞぞっと背筋を何かが走った。

「江戸」という言葉。それまではTVの時代劇や社会科の教科書の中のもの、文字・絵空事の知識、現実感のない言葉だった。でもこの石仏は違う。いま「東京」と言われているあの場所を、この時代に生きた人は「江戸」として認識し記した。そして「江戸」めざしてこの石仏を頼りに歩いた人がいる。ごく身近な場所で、そんな人々が見えたのだった。

で、いま地域の歴史を綴るごく小さな雑誌を仕事で編集している。
あの時出会った石仏に、まずいまの僕の人生が決められちゃったのだ。
ちょっとした縁で、人生なんてふっとかわっていっちゃう。
僕程度の知性、打算など、ほんと浅薄な、とるに足らないモノだ。
だが出会いは本当に感動モノ。こいつを大切に生きたいなぁ。
その方が楽しいもん。

(注)庚申講:庚申の日の晩、眠ってしまうと体内から三尸(さんし)の霊が飛び出して、閻魔様にその人の罪を報告されちゃう。だからその晩は徹夜して眠らずにいるって習俗(庚申待)。それを行う講。これ、遊びの言い訳だよなぁ(笑)。

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