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2006年4月 4日 (火)

「寝床」と「茶金」

最近通勤中に聴いてる志ん朝の落語。
「寝床」というお話しがある。

義太夫好きの商家の旦那、稽古した義太夫を自分の長屋の者や店の者にムリヤリ聴かせようとする。「あんなヒデェ声、誰が聴くか!」と、皆が逃げ回る言い訳が面白い。

もう一つ「茶金」という、お話しがある。

京都に茶屋金兵衛という古道具屋がいた。これが大変な目利き。鑑定を頼まれた品、たいしたものでなければ手にも取らないが、手にとって見ようものなら100両、さらに「これはなんじゃ?」と首を傾げようものならまた100両の値打ちが付くという。
その金兵衛さんがある日、日課の清水寺詣りの帰りに入った茶屋で出された茶碗、これをしげしげと眺めている。しかも"6度"も首を傾げて(笑)。この様子を見ていたのが、江戸で食い詰めて京都に出てきた八五郎。「これは600両で売れる」と茶屋の主人からムリヤリ買い取って、茶屋金兵衛の古道具屋「茶金」に持ち込み、売り付けようとする。ところがこれは単なる清水焼の量産茶碗。金兵衛がしきりに首を傾げていたのは、どこも割れていないのに中に入れたお茶が漏る"欠陥品"だったからだった(笑)。ふてくされた八五郎、いまいましいからってその茶碗置いてっちゃった。
ところが金兵衛、この茶碗をいろいろな茶会にもってってこの経緯を笑い話に出していたら、「何故か茶の漏る"ハテナ"な茶碗」ってことで、様々なお公家さんのお墨付きが付いて、茶碗としては欠陥品なのに1000両もの値打ちが付いちゃった。そのドタバタが面白い。

これ、もろアコギ界、いやアマチュアの芸事の世界そのものだなと思った。

ヘタクソにもかかわらず、練習したのを聴かせたがる「寝床」のダンナ。まさにオレ(笑)。ダンナの聴かせたがる気持、「義太夫とは…」を語りたがる気持、すんげーわかる。心に相当痛みを覚えながらも笑ってしまった。
また、クラプトンやジョン・レノンが使ったからとかいって、法外に値がつり上がっていく楽器の世界。楽器としての評価以外のところで値が付いていく。まさに「茶金」。その楽器からその音が出るのはその人が弾くから。楽器は楽器でしかない。楽曲も例えコピーして弾いても僕が弾く以上、本人のものとは似ても似つかぬ僕のものでしかない。その当たり前のこと、しっかり謙虚に認識してないと、とんでもなく大恥かくことになるな。
それでも人前で弾くの、やめられないのね~f^_^;;;。
だからクラスタみたいなお店、必要なのね~(^_^)

大笑いもしたけど、「気を付けよう」、そんな気にさせてくれるお話でした。

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