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2006年6月27日 (火)

写実詠

捨てらるる 大き鏡の傾きて
    初夏の青空 四角にうつす

僕の母(坂田春江)は、僕が高校生の頃だったかな、近所の短歌会に入って、そこの同人さんに添削を受けながら作歌を本格的にはじめた。僕が大学に入った頃だったと思うが、母が詠んだ歌がこれ。初めて自分の親の作品にぎょっとした。
それまで心の中のことばかり歌に詠んでた母、同人では「自然をありのままに詠みなさい」とひたすらに"自然詠"を指導されてた。そんななかで何年か過ごし作ってきたのがこれだ。

ゴミ捨て場に捨てられてた鏡に映った初夏の空。マグリッドの絵に、真ん中にぽっかりと青空があって鳥のシルエットが写ってる絵があったと思うけど、それと同じ感覚をこの歌から覚えた。まるで鏡が異空間への窓であるかのよう。ゴミ捨て場にあっただけにね。そんなところをよく見ていたもんだと思った。

そうなんだよな。まず見て、作り続けることが大事なんだ。

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