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2006年9月16日 (土)

村上"ポンタ"秀一『自暴自伝』

「まぁあんたせいぜい、自分でチ○チ○しごいてなさい」(爆)

ギターで遊んでる僕からしたら、こう言われてるようで(わかってはいたけど)痛い本だった。けど、ポンタさんからみた70年代以降の音楽アーティストの素晴らしさ、裏話、音楽観がつまったすごくいい芸談。

僕らの世代(30代後半前後)で、多感な十代の頃にポンタさんのドラムを聞かずに育った日本人なんて絶対いない。赤い鳥、さだまさし、細野晴臣、井上陽水、山下達郎、泉谷しげる、渡辺香津美、坂本龍一、矢野顕子、大貫妙子 ピンクレディー、松田聖子、キャンディーズ、宇宙戦艦ヤマトのテーマ、ドリカム、その他大勢。僕らの記憶にある70年代以降のほぼ全部のタレントさんと、音楽を創造し続けてきてんだから。
だから関わったミュージシャンたちの、ポンタさんから観たエピソードも最高に面白い。KYLYNバンド前後の坂本龍一さんの素行の話、お世辞にも"キョージュ"なんて呼べない。でもほんとパワーがある。昨日から電車の中で読んでて何度笑ったことか。

そして、すごいな、と思ったのはこれ。

「探求はするけど練習はしない」、つまり自分が求める音をどう得るかの試行錯誤はするけど、「単に音を出す」なんてことはしない。

また、もとは管楽器吹きでバリバリクラシック人間だったポンタさんが、ドラムに惚れてバンドボーイ(ボーヤ)しながら、していた練習(探求)。
「だからドラムやろうと思ってもしばらくの間はあえてスティックを持たなかった。(中略)とにかく歌ってたんだよ。歌いたいものが何もないのにスティックを持ってセットに座ってもダメなのよ。ドラムって楽器にしばられちゃう。(中略)『右手をこうして、右足をどこで入れて、左手でこうやって』なんてやりはじめたら、それはもう音楽じゃないでしょ。だから俺の場合、右手を『チ』、左手を『タ』、右足を『ドッ』っていうふうに音を決めておいて、自分の歌いたいドラムのパターンを歌ってた」。ポンタさんのこのイメージ練習、知ってはいたけど、ここまで細かく知ったのは初めてだった。

Charさんしかり、ハチャメチャでもみんな音楽にはマジメなんだよなぁ。言い換えれば「美しいと思うものへの探求だけがある」ってだけ、そこへの道ならどんな方法もとる。求める音楽が身体にないなら、音楽なんてできないんだよね。つーより仕事全部そうだけど(マンションの耐震偽装の問題の根幹もこれでしょ。「いい家を造ろう」と思ってない)。欲しいものを持って、練習の仕方自体を工夫できない、その練習の意味自体を考えられない人間は、いつまで経っても「弾けない」「歌えない」んだよねf^_^;;;。

似ているなと思った本はマイルス・デイヴィスの自伝かなぁ。
これは日本のポップスの歴史を知る上で最高の名著の一つだと思う。

村上"ポンタ"秀一『自暴自伝』(文春文庫PLUS \620・税込)

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コメント

なんか面白そうな本ですね。
読んでみようかなあ。

>欲しいものを持って、練習の仕方自体を工夫できない、その練習の意味自体を考えられない人間は、いつまで経っても「弾けない」「歌えない」んだよねf^_^;;;。

こんな風にギター弾けたらいいな、こんな曲が作れたらいいな、という意味では、歌作りにも通じることですね。
ただ漠然と作ってるだけじゃ、絶対に最後まで曲として完成させることができない・・。

投稿: 時代屋だんぞう | 2006年9月17日 (日) 01時45分

>なんか面白そうな本ですね。読んでみようかなあ。

ぜひぜひ! だんぞうさんにとってもなじみのある
アーティストさんたちがどういう人なのか、すごく伝わってきます。
2003年に単行本で出た本の文庫化なので、図書館にも入ってると
思いますし、買わないにしてもまずは書店でぱらぱらと立ち読みして
みられるのがいいと思います。文庫は620円ですし、きっと買いたく
なると思います

>こんな風にギター弾けたらいいな、こんな曲が作れたらいいな、
>という意味では、歌作りにも通じることですね。
>ただ漠然と作ってるだけじゃ、絶対に最後まで曲として完成
>させることができない・・。

物作り全てそうなんでしょうね。
あの世界の人たちとは、「音楽への命がけ度」が全然違うから
同じで考えたらパンクするけど、でもたんたんと自分が何が
欲しいのか見つめて、試行錯誤し続けることは僕らにも
できますしね。

アマチュアとして、いい開き直りをさせてくれた本だとも
僕は感じてます。

投稿: さかた | 2006年9月17日 (日) 08時33分

ポンタさんって、こんなにたくさんのアーチストの後ろでドラム叩いてたんですね。私全然知らなかったです。
ポンタさんっていうと、Jazz系の人だとばかり思ってましたので、結構驚きました。
私みたいな、インストもサポートもみんな中途半端だな~と思いつつ、どうにもならないで流されているような人間は、こういうの読んでガツンとされたほうがいいかも、なんて思いました。
だから私も、今度図書館or本屋さんに行ってみよっと。

ところで、PontaBoxはご存知ですか。私は「PontaBox Meets Yoshida Minako」というアルバムしか持ってませんが、かなーりヨイです。お勧めです。

投稿: 一太郎 | 2006年9月17日 (日) 21時49分

>ポンタさんって、こんなにたくさんのアーチストの後ろで
>ドラム叩いてたんですね。私全然知らなかったです。

さださんのアルバムのクレジット見てても、よく出てくる。
僕も意外に思ってました。結構さださんの音楽とは「水と
油」の人にも思ってたので。
読んでると、とにかくほんとポンタさんって「歌を大事に
するアーティスト」です。それがすごく伝わってきます。
「歌詞を見て叩く、譜面はいらない」って章があってね。
ドラムはただ「リズム刻む楽器=メトロノーム」でなく、
「歌う」楽器だってのが伝わってくる。ほんと何でも
「歌わなきゃ音楽じゃない」んですよね。
それと「歌い手さんってのは繊細、そこでどうリラックス
させてあげられるかがドラマーの役目」って言葉、
かっこいいなぁ、って思った。

>私みたいな、インストもサポートもみんな中途半端だな~

ポンタさんとかのレベルで考えたらみんな中途半端ですよ、
僕らなんて。でもそれでもたんたんと足下見つめて考えて、
音楽し続けることで、「いい音楽愛好者」にはなれる。
僕はそれでいいんだとおもってます。

>どうにもならないで流されているような人間は、

なに言ってんすか。しっかりどうにかしてんじゃん。
サポートでこれだけ信頼されてる人、なかなかいないですよ。
それって音楽的懐の広い証拠でしょ(^^)。ミクシーの紹介文
にあれだけ感謝の言葉書かれてんじゃん。
一太郎さん、い~~つも謙遜しすぎです(^^)。

>ところで、PontaBoxはご存知ですか。

はい。一枚目は持ってます。最近聞いてなかったなぁ。

>私は「PontaBox Meets Yoshida Minako」というアルバム
>しか持ってませんが、かなーりヨイです。お勧めです。

こ、これ、聞きたいっす~。


投稿: さかた | 2006年9月18日 (月) 06時50分

この本もおもしろそう!

>「PontaBox Meets Yoshida Minako」
これも是非聴いてみたいっす~♪

その昔、麻布のカフェで、坂本龍一さんに会ったことあります!サインももらいました(^0^)。でもどこかに行ってしまいました(・・、)

投稿: シンドウ | 2006年9月18日 (月) 09時46分

赤い鳥のサポートって、村上ポンタさんの他に大村憲二さんもいたんですよね。
本体はすごい地味なのに(失礼!!)ね...

えと、当時のボーヤは...
これもすごい...

620円なら買おうかな??っと

投稿: とり | 2006年9月18日 (月) 21時25分

>シンドウさん
>この本もおもしろそう!

僕らを音楽的に育ててくれた日本のポップスの裏話が
単純に面白いです。大貫妙子の歌録りのこだわりもすごい。

>その昔、麻布のカフェで、坂本龍一さんに会ったことあります!

食べられちゃわなくて、ヨカッタですね(爆)。

>サインももらいました(^0^)。

ミーハーだったんですね~、シンドウさんも(笑)。
僕も渋谷のヤマハで渡辺香津美さんを目撃した時(ギターの
試奏も真後ろで聞いた。すごかった)はサインもらいました。
僕よりもっとファンのジャズギターやってる先輩に譲っちゃいました。

>とりさん
>赤い鳥のサポートって、村上ポンタさんの他に大村憲司さんも
>いたんですよね。本体はすごい地味なのに(失礼!!)ね...

そうなんですよね。そのあたりのいきさつや、大村憲司さんを
亡くした時のポンタさんの喪失感の大きさも、克明に書かれて
います。

>620円なら買おうかな??っと

はい、思いっきり「買い」だと思います。

投稿: さかた | 2006年9月19日 (火) 06時45分

やさしいフォローありがとうございます。
確かに、いろんな人から声をかけてもらえて、私はメチャメチャ幸せモンです。
でもですね...なんと言うか、なかなか前に進めない感じなんですよね....

>こ、これ、聞きたいっす~。

歌モノのJazzもお好きなようなら是非。じゃ、こんど焼いときますね。

>大貫妙子の歌録りのこだわり

シュガーベイブの時の山下達郎の影響かな。(^^;

投稿: 一太郎@仕事前 | 2006年9月19日 (火) 08時58分

>一太郎さん
>なかなか前に進めない感じなんですよね

これこそ、試行錯誤の原動力っすよね(^^)。
おたがい、楽しみましょう!!

投稿: さかた | 2006年9月19日 (火) 12時22分

こちらには初めてお邪魔しますm(__)m。

ここしばらくちょっとコンディションが変だったので、せめてオフ会の後の挨拶ぐらいは…と、時々BBSをこそっと覗いたりしていたのですが、書き込む余力がありませんでしした。
今日やっと少し落ち着いて、mixiの方のページにお邪魔してみたら、「最新の日記」に表示されているタイトルを見て「おお?」→記事を読んで「うわあああ~(感激)」となりました(^^ゞ。
この本、読みたい!でも、ツン読ばかり増えていて(ペースはそんなじゃないのに)、昨日も「ヤバいなぁ…」と思っていた矢先でした。取り敢えずは、♪チェック、チェック、…φ( .. )。

投稿: 苦沙弥 | 2006年9月25日 (月) 21時05分

>苦沙弥さん
>こちらには初めてお邪魔しますm(__)m。

いらっしゃいまし!!

>時々BBSをこそっと覗いたりしていたのですが、
>書き込む余力がありませんでしした。

無理しない無理しない。
娯楽なんだから気が向いた時でいいんすよ(^^)。

>この本、読みたい!

理屈抜きで単純に面白いです。
僕らになじみのあるミュージシャン達のエピソードが。

>ツン読ばかり増えていて(ペースはそんなじゃないのに)、

ツン読であっても縁があるから、わざわざ入手してその本は
そばにいるんじゃないすかぁ(^^)。今度は本と自分、お互い
微笑みあえるまで待つ楽しみがありますよ。
ウチも「つん読」の本たくさんあります。

>♪チェック、チェック、…φ( .. )。

うん。まずは本屋で立ち読み、ぜひどうぞ。

投稿: さかた | 2006年9月25日 (月) 23時48分

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