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2007年11月17日 (土)

焼き殺すほどの情念

11日・日曜日は、裏方として「八王子車人形と民俗芸能の公演」の舞台裏で走り回っていた。僕が所属する説経節の会(都無形民俗文化財)は、八王子車人形の地方(じかた。三味線の伴奏で物語を語る)として公演した。

演目は「日高川入相花王(ひだかがわいりあいざくら)」。
「安珍・清姫」のお話しです。あらすじは…

舞台は和歌山県、日高川河口近くのほとりにある道成寺。奥州白河から熊野に参詣に来た僧・安珍、これが大変な美形。紀伊国牟婁郡真砂の庄司清次の娘・清姫は、安珍を見て一目惚れしてしまう。夜這いまでかけて迫るが、安珍にすれば僧の身の上としては困る。「熊野の帰りには立ち寄る」と約束するが、立ち寄ることなく行ってしまう。
怒りに震え安珍を追いかける清姫。追われていることを知った安珍は、飛脚や日高川の渡し守に「行き先を告げてくれるな。渡してくれるな」と逃げに逃げ、最後は道成寺の梵鐘の中に逃げ込む。渡し守にも渡河を拒まれる清姫。挙げ句に入水し、龍となって日高川を渡り、安珍の逃げ込んだ梵鐘に巻き付いて焼き殺してしまう。

いやぁ、すげぇハナシ。僕はいままで、ここまで女性に愛されたことない。カミさんにとっての僕は「家を出るための口実」。愛なんかじゃありません(笑)。でも、女性はこのくらいの方が幸せなんじゃないかなぁ。ヘタに自分から愛しちゃうと、自らの情念で自らを焼き殺してしまいかねないのではないかいな? 

似たような形で逃げてるイイ男は、これまでの人生でまわりに数人見た。ここまで女性から情念をぶつけられたら正直ヒクだろうなぁ。短期的な恋なら燃え上がった方がエキサイティングだろうけど、結婚となったら疲れちゃうよ。一生燃え上がり続けられるもんでもないしねぇ。愛だのなんだのより、「ふわっとウマが合う」程度がいちばん疲れなくていい。だが、これほどの情念を背中合わせに存在してるのが、母性と呼ばれるホスピタリティなのかもしれないと感じる。

先日このブログに書いた「いい男も大変だ」、それがリアリティをもって感じられる。昔ながらの物語って、根元の部分にすごくリアリティがあるなぁ。ほんとにいい男はかわいそうだ。

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コメント

今回のお話しはとても共感できました。エンパシーというやつですね。「うんうん」と頷いておりました。

もともと他人とつるむのが苦手なオトコ。それでも人間関係はいろんな面で大事だということくらいは知っているので、一応の体裁は繕う。結婚もしかり。離婚してみて改めて精神的負担が少ないのを実感しています。お互いの利害関係をあまりぶつけてしまっては、うまくいくはずがありません。子供のことを考えて復縁を考えてますが、そのあたり「ソクラテス」の前例を胆に命じた方がいいのか、とも思います。

あ、先ほどはケータイのメールに失礼しました。

投稿: をーつき | 2007年11月17日 (土) 14時41分

女性のこと書いたけど、そんなに知っている訳じゃないのにね(^^;;;。よくカミさんと雑談する話題で、書いてるんだけど。男の場合は、社会から切り離されると弱いよなぁ。とたんに悪いことしだすもん。

「お互いの利害関係」かぁ……。結構ほったらかして歩き回ってるからなぁ、俺。音楽なんぞもやってるし。芸事って、日常生活にも当人は結構テンションを放散してるんだよね。調子いい時も悪い時も。カミさんも演劇やったり唄歌ったりしてたから、そういうの敏感。アテられるって言ってるよ。わかってはくれるけどつくづく周りにとってはご迷惑な趣味だと思ってます。それでもやめられない麻薬性はあるしね。

いやほんと、申し訳ないや。

投稿: さかた | 2007年11月18日 (日) 06時29分

芸事だけじゃなくて、学問もそういう性格あるでしょーに(^^;)

Tonちゃんもよ○ちゃんも、双方が芸事も学問も両方やってるからねー。

でも、負の情念を強く発散している人の近くにいると、
心身ともにぼろぼろになるよ。それこそ、釣鐘の中で蒸し焼きにされてしまうほどに・・・

投稿: ウミユスリカ | 2007年11月18日 (日) 22時47分

>ウミユスリカさん
>学問もそういう性格ある
おっしゃるとおり。罪深きものです。その追求する快楽もまたこの上ない。「歩く・見る・聞く」してりゃ帰りたくなくなることだって多々あります。

>Tonちゃんもよ○ちゃんも、
>双方が芸事も学問も両方やってるからねー。

罪深さの二乗だね(笑)。
ガキ共もとんでもない親に生まれちまったなぁ。。。

>それこそ、釣鐘の中で蒸し焼きにされてしまうほどに・・・

何万年たとうが人の心根は変わらないのかもね。物語のプロットって、既に出尽くしているのかもしれませんね。

投稿: さかた | 2007年11月21日 (水) 01時14分

ふぅ、顕微鏡ばっかりのぞいていると目が疲れるわ。こりゃあと数年で老眼かもね。

>罪深さの二乗だね(笑)。
>ガキ共もとんでもない親に生まれちまったなぁ。。。

二乗だぁ?

数学勉強しなおしなさい!

学問と芸事の両方ということで、この段階で二乗。

夫婦ともにということでこれをさらに自乗して、四乗でしょうが!

投稿: ウミユスリカ | 2007年11月23日 (金) 10時42分

>ウミユスリカさん
>学問と芸事の両方ということで、この段階で二乗。
>夫婦ともにということでこれをさらに二乗して、四乗でしょうが!

わはははははははは、確かにそうだ!
これからももっと開き直って、邁進します(^^)


投稿: さかた | 2007年11月23日 (金) 13時11分

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