« 今日で結婚11周年 | トップページ | 伝えたいものはあるのか? »

2008年3月 2日 (日)

クラシックを聴くきっかけ

クラシックを聴く、知的でカッコヨサソウじゃん(^^;;;)、そんな馬鹿げたこと思ってたときもある(爆)。たしかに交響曲なんぞ建築の如く計算されて創られてるから、分析する楽しみもあるけど、もっと気軽に付き合ってイイ。

それを教えてくれたのが指揮者・岩城宏之さん(1932-2006)の数々の著作だった。大学時代に最初に読んだのは『楽譜の風景』(岩波新書)。"風景"は"散歩野郎"の僕を惹きつけるキーワード。それに「楽譜」が付いた上、著者は全く同じ"宏之"。これは買わずばなるまい(^^)。
読んでみると、いままでのクラシック解説本みたいに、作曲家の時代や社会背景・音楽的構造だとかの"お勉強"っぽい、ムツカシイ本じゃない。実際に曲を演奏する上での面白いエピソードが満載(^^)。

ベートーベンの第九交響曲、ほぼすべての楽器が思い切りクレッシェンドしてフォルテシモのクライマックスを迎える部分がある。しかし何故か譜面にはティンパニーだけはディミヌエンド(段々弱く)して消えていくよう書いてある。元打楽器奏者で目立ちたがり屋(^^)の岩城さんはいつも不満。指揮者になってベートーベンの自筆譜(とても悪筆らしい・笑)を見たら、当時の写譜屋(譜面を浄書する専門家)がアクセント記号をディミヌエンド記号と勘違いして転記したことが判明した話。
岩城さんはいつも暗譜で振っていたストラビンスキー「春の祭典」。これをメルボルン交響楽団で振った際、変拍子バリバリの最終楽章「いけにえの踊り」で振り間違えて演奏が止まってしまった。お客さんとオーケストラに謝ってもう一度その楽章をはじめるが、どうしてもその箇所では暗譜がぬけて腕は泳いでしまう(だがオーケストラは乗り切った)。ふつう指揮者とオーケストラは敵対関係にあるのだが(ただ指示して棒振るだけでマエストロと呼ばれ、楽員よりメチャメチャ高いギャラを持ってくから・笑)、そんな演奏上の大事故とその後の打ち上げに引きずり出されて知った、メルボルン響の楽員たちの暖かさ。

他の本ではこんなのもあった。
ウィーンフィルが1960年代に来日したとき、楽員の一人が当時ト○コ風呂といった、現在のソー▽ランドに行ったそう(爆)。そこでサービスを受けるうちに、相方の女の子はアイネクライネナハトムジークかなんかの第2主題を口ずさみはじめたらしい。帰ってきて岩城さんに興奮気味に話すその楽員。「有名な第1主題ならわかるけど第2主題だぜ!? ヨーロッパでこういう店に行ったら、こんなフレーズ口ずさめる女の子はいない。日本は世界一の音楽国だ!」

岩城さんの本でつくづく思った。クラシックって、ムツカシイことばっかり言って学者然として、機械のような人が弾いているのかと思いきや、なーんだ単なる人間くさいスケベのフツーの職人なんじゃない、って。敷居がガクッと下がった。単なる音楽でしかないのだ。まず聴きゃいいの。合わなきゃキライ・イイと思えば大好き!でいいのだ。

クラシックは難しいと思ってる方、ぜひ岩城さんの著作、おすすめします。個人的には岩波新書の二冊『楽譜の風景』それに『フィルハーモニーの風景』(両方とももう古本でしか、ない)。岩波新書だけど、笑えます(^^)。さまざまな『棒振りの…』シリーズも楽しいです。

|

« 今日で結婚11周年 | トップページ | 伝えたいものはあるのか? »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: クラシックを聴くきっかけ:

« 今日で結婚11周年 | トップページ | 伝えたいものはあるのか? »