« 「集中」できる幸せ | トップページ | 輪行袋 »

2008年7月28日 (月)

ワープロと英文和訳

いま仕事で第二次大戦中・アメリカ軍による日本空襲の作戦任務報告書(Tactical Mission Report)を翻訳してる。当時のアメリカ軍の「攻撃の目的・攻撃目標の状況調査〈空中写真使ってオソロシクつぶさにやってる〉・損害を最小限に抑えて攻撃するための方法を、各作戦を連携させてはっきりさせ、その結果をひとつひとつしっかりと検証し、次の作戦に活かす姿勢」は、仕事をする人間としてはとても感心する。戦争は許し難いものだけどね。職場だけではやりきれないので、家でも少しずつ翻訳してる。努力不足で実力はないが、英語はキライじゃないから楽しい。原史料の語るものは多い。

ワープロ使いながらの翻訳だと、まず頭から訳して入力してっちゃう。こんな具合

〈原文〉
The 73rd Wing was to dispatch 3 B-29's to Iwo Jima on the night before D-day to coordinate briefing and take-off plans with the 7th fighter Comand.

〈第一段階〉
第73航空団は 派遣することになってた(be toを"予定"のニュアンスでとった) 3機のB-29を 硫黄島へ 作戦決行日の前夜に 調整するために 作戦直前打ち合わせ(briefing)と離陸プラン 第7戦闘機集団と

でもって、そのつぎに日本語として意味通じるように訳す。大体この段階で「ん? なんかどっかの単語やイディオム、オレ、ニュアンス違えてるぞ(^^;;)」って気付く(か、ナニ言ッテンノカワカンナクて頭抱える・笑)。受動態のままの翻訳って日本語には不自然に感じること多いから、能動態的な翻訳になおしちゃうこともある(何故そこが受動態で書かれてるのかにも、伝えたいニュアンスありそうだなぁ^_^;;;)。僕は何が書いてあるのかを自然に知りたいから、あまり「直訳」にはこだわらない。でもって最終的にこんな形に訳した。

第73航空団は、第7戦闘機集団との作戦直前打ち合わせと離陸プラン調整のために、作戦決行日の一晩前に3機のB-29を硫黄島へ派遣することになっていた。」

こうやって頭からまず訳し・並べ直すのを、頭の中でなく画面に入力して出来るって、ワープロは便利だし、面白いな~。

|

« 「集中」できる幸せ | トップページ | 輪行袋 »

コメント

そうか、最近勉強していたのは英語だったんだね。かっこいい(^^)

こうやって見てみると、やっぱり日本とヨーロッパ(英語はイギリス発祥なので)の考え方や文化の違いがよくわかるね。日本語だと、第73航空団が何をするのかわからないけど、英語では説明は後回し。

彼らが、日本人ははっきりした物言いをしないと言う理由がここにあるんだな~、っていうのが何となくわかる気がします

投稿: Real Man | 2008年7月28日 (月) 18時36分

「第73航空団は、第7戦闘機集団との作戦直前打ち合わせと離陸プラン調整のために、作戦決行日の一晩前に3機のB-29を硫黄島へ派遣することになっていた。」

正直なところ、読みやすい日本語とは思いませんでした。
もとの英文の方が明確です。

The 73rd Wing was to dispatch 3 B-29's to Iwo Jima on the night before D-day to coordinate briefing and take-off plans with the 7th fighter Comand.


was to dispatch:
dispatchが「急いで派遣する」というニュアンスの語なので、be to を予定で訳すのは疑問です。
ここでは、義務(もしくは軽い命令)と解釈しました。

the night before D-day:
「決行日の一晩前」となると少し文学的なニュアンスになるように思いました。
戦争文学の翻訳ならともかく、任務報告書となると「決行前夜」という表現が簡潔です。
(この語句がwas to dispatchを修飾しているので、決行前夜に急遽要請があったという緊迫した状況が伝わりますね、生々しい史料です)。

to coordinate〜 with the 7th fighter Comand:
BとAについて意見調整する、ということですが、さかたさんの訳では2通りの解釈を許してしまいます。
<第7戦闘機集団との作戦直前打ち合わせ>と<離陸プラン調整>のために
<第7戦闘機集団>との<作戦直前打ち合わせ>と<離陸プラン調整>のために
つまり「離陸プラン」を調整するという行為の主格が不明瞭になるのです。
また、briefing and plansとあるので、briefingは辞書通り「(これまでの)状況説明」と訳すべきではないですか?
briefingが過去、将来についてはplanという対比でandという接続詞が用いられていると考えるのが自然です。

ということで私なら次のように訳します。

第73航空団は、作戦決行前夜、3機のB-29を硫黄島への急派を要請された。要請の目的は、戦闘概況ならびに離陸計画について第7戦闘機集団と情報共有することにあった。

投稿: L | 2008年7月28日 (月) 18時48分

(コピーもとを間違えました、こちらが私の訳です)

第73航空団は、作戦決行前夜、3機のB-29を硫黄島への急派を要請された。戦闘概況と離陸計画とについて同航空団と第7戦闘機集団と連携させることが急派の目的であった。

投稿: L | 2008年7月28日 (月) 18時58分

毎度です。こういうことやれるとホントへこむ。(笑)さすがですね。お見事です。英検1級、通訳案内士ごときはまだまだ序の口ということですね。

関係ないけど、フランス語もle jour-Jといいます。英語そのまんまだね。

んじゃまたね。

投稿: をーつき | 2008年7月28日 (月) 19時12分

>Real Manさん
住所表記でもそうだよね。
まず身近な番地から始まって国へ行くしね。

>Lさん
わーい、thanks!! ありがとー!
僕も腑に落ちなかったところ、気持ちよく訳してくれた(^^)。
文殊の知恵(^^)。ちゃんと原文も載せといてよかったな(^^)。
やっぱええブログや、ここは(^^)。まだ読み始めたところでね。文が何を意味するかはいろいろな史料付き合わせてこれからなんだよね。メンバーみんなで解体新書訳すような感じで楽しんでます(^^)。がんばらんと、楽しみます(^^)。

>もとの英文の方が明確です。
うんうん(^^)。これさぁ、日本語の論文でも英文サマリーを読んだ方が「要するに何書いてあるのか、つかみやすい」時があるんだよね(^_^;;)。そういう時に感じる。

>をーつきさん
to不定詞の解釈の仕方もオモシロイ。「~のために」も日本語的な表現でなんか変な感じしてるのよね。andで繋げる感じで捉えた方がハマる気もする。
それとね、文章で気になってるのは「B-29's」ってアポストロフィSになってるとこ、この後に何が付いてるのかイマイチわかってない。

>フランス語もle jour-Jといいます。
これ、語順が同じって意味だよね。すいません。教えてください(^^)。

投稿: さかた(Ton) | 2008年7月28日 (月) 20時03分

失礼!これは同じ発想で言葉を作ったということが言いたかっただけですね。

le=the jour=day D=J

語順は違うけど同じでしょ?Dは確かdayのdを取ったはず。jourのJを取ったというのも、ほとんど同じだね。というか、これは借用語かな?

to不定詞の副詞的用法というヤツね。結果を表したりする。to不定詞は近い未来を表したりするから、そうだろうね。ちなみにこれは高校文法の範疇。

あ、あと ' だけど、文字や数字、固有名詞なんかを複数形にするとややこしくなるので敢えて入れる用法があるね。dot the i's and cross the t's「細かいところまでやる」なんていうのもその一つか。i'sとやらずにisとすると、be動詞と間違えるかもしれないしね。(笑)

投稿: をーつき | 2008年7月28日 (月) 21時29分

>をーつきさん
>le=the jour=day D=J
>語順は違うけど同じでしょ?

うん。考え方、同じだ。そうか。ノルマンディ上陸作戦をフランス側で言うとそうなるのかな。。

>to不定詞の副詞的用法というヤツね。
>あ、あと ' だけど、敢えて入れる用法があるね。

ご教示感謝。やっぱり高校までの全教科はやり直してみる意味あるな。古今和歌集なんかもね。いまになって読んでみるとその映像性とかメロディアスさにびっくりするんだよね。予備校で漢文を中国語読みしてもらえた時とかも、韻の意味がさらにわかって面白かったモン。詩って音楽だなって思う。


>再度、Lさん

>was to dispatch:
>dispatchが「急いで派遣する」というニュアンスの語なので、
>be to を予定で訳すのは疑問です。

この作戦任務報告書の構成の説明が足りず申し訳ない。
大きく言えば「planning」→「execution」の構成になっていて、この文章は「planning」の方にあったのね。だから「そういう予定にしていた」っちゅー「予定」のニュアンスでとったの。

>「決行前夜」という表現が簡潔です。
うん。簡潔(^^)。ありがとうございます。

>briefingが過去、
どうなんだろう? ブリーフィングは日本語訳を宛てようか迷ったとこなのね。いまでも軍の訓練前や民間機のフライト前に、今日の訓練内容や飛行コースについての再確認をすることを「ブリーフィング」っていうからね。もちろん帰投してからの反省会もブリーフィングなんだけど。どう訳そうか、ほんとまよった。

>第73航空団は、作戦決行前夜、3機のB-29を硫黄島への
>急派を要請された。戦闘概況と離陸計画とについて同航空団と
>第7戦闘機集団と連携させることが急派の目的であった。

この作戦ね、戦闘機護衛をつけた初の空襲だったそうな。爆撃隊・戦闘機隊「連携」の為の最終確認なんだろうな。be toには義務も予定もニュアンスがこもってそうだな。「急派を要請された」の訳をLさんからもらったことで、直前に第7戦闘機集団から「もう一度詰めようよ」って依頼があったのかも、っていう可能性も感じることが出来ました。重ねて、ありがとうございます。

投稿: さかた(Ton) | 2008年7月30日 (水) 16時13分

先ほどは弊ブログへのコメント毎度です!

ふと思い出したんだけど、イギリスにいるとき、英語でフランス語を勉強しました。微妙な距離のある言語ですが、英文仏訳の問題は面白かったよ。基本語彙の使い方はそのおかげでマスターできたと思う。ゲルマンとラテンだから基本語彙は全然違う。けど、言葉自体のもつ「意味の範囲」は意外と近かったりするんで、勉強にはもってこいでした。英語で説明された方が直感的にわかる、そういえばいいんでしょうか、上手く説明できないけど。

気が付けば似たような仕事内容。刺激し合って、お互いいい仕事が出来るようになるといいですね。

投稿: をーつき | 2008年7月31日 (木) 00時16分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ワープロと英文和訳:

« 「集中」できる幸せ | トップページ | 輪行袋 »