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2009年3月11日 (水)

初舞台のタイミング

先日、ある伝統芸能関係の方と、初舞台のタイミングについて話になった。月一回の稽古で1年、でもって全10回弱の練習を積んで舞台。こんなんじゃはっきり言って、聞けたもんじゃない。音程もテンポもとれない。でも、その方は舞台に上げるべきだという。身内にだけでも見てもらえて、気持ちよさを味わわせてやるべきだ、と。
僕は反対だった。難しいことはやらなくていいから、聞く方がせいぜい気にせず聞き流せる程度の演奏でなくちゃ、舞台に上げたくないと思う。わざわざ聞いてくださる方に、気持ち悪い演奏に拍手させるような気遣いさせるなんて、いい迷惑な気がするのだ。僕だったら気なんか遣わない。耳をふさぎ、席を立つ。一発も拍手しない。

芸事って、メシ時もとなりに楽器なりを置いとくぐらいの奴、二六時中考えられる奴じゃないと、どれも人様に安心して聞き流してもらえるものにすらならない。感動させるなんてほんの一握りの人間が出来ること、聞き流せてもらえた段階で及第点だと思う。お教室でその場だけ弾いてるんじゃ絶対にダメ。空いた時間にみんな忘れてしまう。毎日出来るだけ客観的に聞いて練習出来ない奴が人前でやる資格は、正直、ない。

ただその人と話してて、二人で同意したこと「舞台に立つ人間はみんな錯覚してるにすぎない」。そりゃそうだ。そうでなきゃこんな人前で自分の裸体・恥部をさらけ出すに近いような怖いこと(物理的なヌードより怖いわ)、しないよ。だがそんなものでも、お客様はわざわざ聞いてくださるのだ。家庭も仕事も持ちながら、もう二六時中の練習なんてもんはできない。だが少なくとも自分の芸は、大体の人には安心して聞き流せるだけのものにはして、聞いていただきたい。

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