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2010年8月 7日 (土)

「はやぶさ」は「帰ってきた」のではない

小惑星イトカワを探査した惑星探査機「はやぶさ」、大人がこれを擬人化表現して語るのは大嫌い。ガキじゃないんだから。「はやぶさ」は単なるモノ、道具。運用した技術者たちがさっさとあきらめていれば、宇宙のゴミ(デブリ)を一個増やしただけだ。

さっき、NHKサイエンスZERO見ていたんだけど、ほんとすんばらしかったなぁ。つまらない擬人化やお話などにしない。はやぶさという道具を、技術者たちがどう使い切ったのか。イオンエンジンのこと、持ち帰った物質の分析技術のこと、その物質に含まれるアルミニウム26という同位体元素の分析によって知ろうとしている、宇宙や地球の起源のこと、実にわかりやすく説明してくれた。

いままでもプロジェクトディレクターの川口淳一郎先生の毎日新聞連載などで、惑星スイングバイによる探査機の増速の工夫などで、すごくわくわくしたが、今日僕にとっておもしろかったのは「イオンエンジンの姿勢制御への活用技術」だった。

イトカワへの着陸時の衝撃で、姿勢制御エンジンはすべてアウトになっていたそう。だがカプセルは正しい姿勢で分離しなければ、地球には帰ってこない。これまでの7年が水泡に帰す。
ここで使ったのがイオンエンジンについていた「中和器」。ここから燃料のキセノンガスを吹き出させることで生じるごくごく微量な推力、これを使って、姿勢制御エンジンなら数時間で終わる姿勢制御を、数日かけて慎重に行うことで完了させたという工夫。めちゃくちゃ感動した。

はやぶさは「帰ってきた」のではない。技術者があきらめずに「帰した」のだ。はやぶさの技術や工夫をしっかりわかりやすく紹介してくれたNHKサイエンスZERO、ホントよかった!!

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コメント

なるほど…表現は適切でないといけませんね。

投稿: italica | 2010年8月 8日 (日) 05時35分

>itaちゃん
「適切な表現」って、あまりしゃっちょこばるつもりはないんだけどね。ただ、もっと科学の積み重ねを、科学者・技術者が宇宙や諸科学の法則をしっかり見つめ、技術・工夫として形にしたってことを、わかってほしいな、ってのがあってね。具体的な対策と実行がないかぎり、単に空想を形にした道具作っても、そして単に祈るだけでも、探査機は飛びもしないし、戻ってきもしないんだから。

擬人化も子供たちにわかってもらって、研究予算が付くため世論が盛り上がるためには必要だとは思ってる。ただ大人なら、高校までで習った数学・物理・化学などの教養で、どういう技術・工夫をしようとしたかぐらいはわかる。そういう形で理解したいね、って思う。見当違いな文学的表現で理解した気になっちゃいかんな、と思うのね。

投稿: さかた(Ton) | 2010年8月 8日 (日) 07時03分

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