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2010年11月 6日 (土)

裏方さんも一流だった

10月9日にこんな形で国立劇場(小劇場)での説経節公演に行ってきたが(写真の通り、僕は黒衣着て、口上と柝をやってきただけ^_^;;)、国立劇場はさすがに裏方も一流だった。

前日の通しリハーサルの時、裏方さんのチームが無線インカム(テレビ局でスタッフさんが頭にしているマイク付きのヘッドフォンね)で話しているのを聞いた。

「(音響の)○△さん、本のめくりの音、拾ってません?」

太夫(語り手)の見台(けんだい、譜面台です)の上には、語りの台本が乗っている。これを見ながら太夫は語っていくのだが、マイク位置の問題で、それをめくる音が入ってうるさかないか、という。たしかに舞台にはいらない雑音。ほかにも立ち位置の関係で、客席で見えない角度が出来ないかなど、本当に細かいところまでセンサーが働いて、気を配っている。このマイクの問題も位置や角度を変えてしっかり克服した。
舞台監督さんの言葉もとてもソフト。八王子車人形さんや写し絵のみんわ座さんはプロだが、農村歌舞伎のあきる野座や僕ら説経節(特に僕か^_^;;;)はアマチュア。人前で何かを演るものは、プロアマ関係なく、舞台前にこの上なく不安になる。ましてやアマチュアがこの大舞台で、どれほど不安か。それを理解して一つ一つ次の手順をやさしく解説してくれる(器の小さい奴にテンパらせちゃったら舞台が台無しになるものね)。それを力まず当たり前にやっているのが、なおのことすごい。

こんなすごい仕事されたら、中途半端なことは出来ない。出来る限りの集中力を出し尽くさないと、失礼になる。また裏方さんは、太夫と三味線方のものには一切さわれない。それは演者の領分。たかが口上と柝だけでも、「舞台に出て何かをする」もの。どこで立ってやるのか。確固たる意味と決断も要求される。自分のつまらなさが全て丸裸。怖かった。リハーサルでは心が振り切れそうになった。
迷惑にならぬよう(いるだけで迷惑なんじゃないかという葛藤と戦ってました)、舞台の流れを見逃さないよう、自分の失敗で途切れさせないよう、それだけで精一杯。だけどことばをいくら積み重ねるより本物に触れるのがなによりいちばん。得るものは多かった。一流はやはりすごい。

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